鮪延縄漁法(まぐろはえなわぎょほう)

はえ縄漁法は釣り漁法の一種で、日本において開発された漁法です。群をつくらないまぐろ類を釣り上げるのには最も効果的な漁法と言えます。巻き網やその他の網漁法のように魚の群を一網打尽に取り尽くすのではないので、資源にやさしい漁法として世界中で知られています。陸上に例えていえば、広大な山林の間伐のような物と考えて下さい。

簡単に、はえ縄漁法とはどういう物なのか説明しましょう。はえ縄漁具の構造は非常に簡単なもので、大きく分けて幹縄と枝縄に分類できます。幹縄とは、釣り針のつけられた枝縄を等間隔につり下げ、さらに漁具を船上に引き揚げるときの導縄の役目を果たすものです。幹縄は、300m〜350mを1鉢(1枚)とという単位で呼び、1回の操業で400〜500鉢を投縄します。水深の深いところのまぐろを釣るときは、2鉢をもって1鉢(1鉢の長さを600〜700m)にして200鉢を投縄することもあります。幹縄の素材は以前はほとんどがテトロンなどが使用されていましたが、現在では皆さんが魚釣りに行くときに使用する透明なナイロンテグスの太物が主流になっています。1回の操業で繰り出される幹縄の総延長は120km〜150kmにも達します。この様な操業の様子からアメリカではLONGLINEと呼ばれています。

操業を開始すると、全速力で走る船の船尾より幹縄が海中に繰り出され、幹縄に一定間隔に枝縄が取り付けられていきます。全ての枝縄にはあらかじめ釣り針が取り付けてあり、投縄時に釣り針に餌をつけ海中に投下します。餌はイカ、アジ、イワシなどの冷凍魚を解凍して使い、1回の操業で、2500尾〜3000尾の餌を釣り針につけることになります。使用する餌のサイズはめばちまぐろを釣る場合には200g〜250g(1尾)サイズをクロマグロを釣る場合には250g〜300g(1尾)サイズの餌を使用します。全速力で投縄しても総延長150kmにもなる幹縄を全て海中に沈めるのに、4時間から5時間ほどもかかるのです。

この様にして投縄された漁具は、1〜2時間後には船に取り込み始めます。この作業を揚げ縄といい、船の前方作業デッキにて行われます。揚げ縄作業では、幹縄の一端から揚縄機(ラインホーラー)によって繰り上げていくと同時に、幹縄にぶら下がった格好の枝縄を、10秒〜15秒間隔に船上に取り込んでいきます。その間に、餌に食らいついたまぐろは、枝縄をたぐり寄せる格好で船上に取り込まれます。そして、わずか数分以内に処理および洗浄され、急速凍結庫に入れられ、マイナス60℃という超低温の冷蔵庫で皆さんの手元に届くまで眠りにつくことになります。この作業は150kmにわたる幹縄および漁具を全て海中から船上に取り込むまで続けられ1日のまぐろはえ縄漁の終了となります。


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